母子家庭の児童扶養手当は国保滞納で差し押さえられる?その対策は? 

子育て悩み

2017年8月に鹿児島県垂水市が、

国民健康保険料を滞納した母子家庭世帯2世帯に対して

入金したばかりの児童扶養手当を差し押さえしていた

というニュースをご存知でしょうか。

 

夫婦揃った家庭よりもどうしても収入は少なくなる母子家庭だと、

児童扶養手当も重要な収入源になるでしょう。

 

それを差し押さえられたら、生活できなくなってしまう家庭もあるでしょう。

 

そんな貴重な手当を差押さえをされないようにするために、何かできる対策はあるのでしょうか。

調べてみました。

 

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母子家庭の子ども手当が差し押さえられない理由 

 

本来なら児童手当の差し押さえは、法律で禁止されています。

 

児童扶養手当法の、第二十四条受給権の保護の欄に、

「手当の支給を受ける権利は、

譲り渡し、担保に供し、又は差し押さえることができない」

と書かれています。

 

それなのに初めにお伝えした垂水市だけではなく、

実際に児童扶養手当の差し押さえを行った県は他にもいくつもあります。

 

なぜ法律で禁止されているはずの児童扶養手当の差押さえが、

こんなにも行われているのでしょうか。

 

それは平成10年2月10日に、生活保護や児童手当など、

本来なら差し押さえが禁止されている公的手当でも、

一旦個人の預貯金の口座に入ってしまうと受給者の一般財産になってしまい、

差押さえしてもいいお金になります、

という最高裁の判決を元に、各自治体が差し押さえを行っているからです。

 

ですが鳥取県では平成25年に銀行口座に入金されたばかりの児童扶養手当を、

鳥取県が即座に差し押さえ税金の滞納分に当てたのは違法である、

という判決が下されました。

 

確かに児童扶養手当は本来、子どもたちのために支給されているお金です。

それがないと、とても子どもを養育することができない家庭も現在は多いのではないでしょうか。

 

保険料を払っていないからという理由で、

子どもたちのために支給されたお金を差し押さえるのはおかしな話ですよね。

 

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預金口座が差し押さえられたら全額? 

 

鳥取県では先述のような判決が下されました。

しかしそれ以降も他の地域で、

何世帯もの母子世帯で支給された児童手当の差押さえが行われています。

 

もし児童手当が支給された口座が差し押さえされることになった場合、

銀行に預けている金額全てが差し押さえられることになるのでしょうか?

 

自治体から支給される給付金の他にも受給者が最低限の生活を送れる以上のお金は、

差し押さえができないことになっています。

 

そして滞納している金額によって○円まで差し押さえできる、

というふうに決まっています。

 

しかし国民健康保険料を滞納しているということは、

預金口座に何十万、何百万もの預金はないことが考えられます。

なので預金額の全てが差押さえられることが多いようです。

 

それを返してもらわないとどうやっても生活できない!

という場合は差押さえされた日から7日以内に、

役所で相談すれば生活費分くらいは返してもらえるようです。

 

しかし基本的には保険料の滞納分を全額一括返済するまでは、

差押さえしたお金は返してくれないようです。

 

とはいえ役所は悪徳金融屋ではありません。

 

実際に差押さえが行われる前に何度も何度も督促状というものが届いたはずです。

そして最後勧告として差押さえ予告通知書というものが届いたはずです。

 

それらの警告を「払えないものは無理!」と無視せず、

とりあえず役所に相談しに行くなどしていると

銀行預金の差し押さえという展開は避けられていたかもしれません。

 

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まずは役所で分納の相談を 

 

「預金を差し押さえられ保険料の滞納分を全額一括返済してください」

と言われたところで、もし一括返済できるほどのお金のアテがあったら、

そもそも滞納することがなかったはずです。

 

さらに銀行口座の預金は差押さえされてるので余計手元にお金はないずです。

誰かにお金を借りたりしない限りは、

そんなまとまったお金を用意することなんてできないでしょう。

 

そんな時はすぐに役所に相談することで分割払いに変えてもらうことができます。

これを分納と言います。

 

滞納している金額は人によって違うので、例えばの話になるのですが、

約2年分の住民税と国民健康保険料を滞納した場合だと、

延滞金と合わせて100万円ほど滞納していることになります。

 

児童扶養手当が差押さえされた場合は、

差し押さえ額は子どもの人数と年齢にもよりますが、

小学生の子ども一人の場合ですとだいたい4万円ほどでしょう。

 

約100万円の滞納に対し差押さえされた額が4万円では焼け石に水もいいところです。

この残り96万円をどのように分納するかを役所で相談してみましょう。

 

分納の場合でも2年以内に完納できるような金額に設定されるようです。

滞納額が100万円の場合、2年以内に完了させようとしたら、

月に4万円以上の支払いが必要になってきます。

 

その上翌年にも新たな税金が発生するので、実際はそれ以上の金額を支払う必要があります。

 

しかし月4万円もの支払いなんてできない!

という家庭もあるでしょう。

 

その場合は収入金額の明細と光熱費の領収書や家賃の振込み履歴など、

支出の細かい明細を提出し、月○円以上の支払いはできないという事情をこと細かく説明すると、

月1万円の支払いでも認められることがあります。

 

それでもいつ、何が起こるかはわかりません。

突然決められた金額を払えなくなることもあるでしょう。

 

だからといって連絡なしにまた滞納をすると、

その時は役所も待ったなしで即座に差し押さえを行うので注意しましょう。

 

何か変わったことが起こったら、とりあえず相談です。

 

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まとめ 

 

いかがでしたか。

大事なことはやはり国保などの税金を滞納せず、しっかり払い込むことではないでしょうか。

 

税金の滞納は借金と一緒です。もしかしたら借金よりもシビアかもしれません。

 

どうしても国民健康保険料が払えない場合は役所に相談することによって、

安くなる場合もあります。

 

児童扶養手当は子どものためのお金なのに、

それを差押さえるのはおかしな話かもしれませんがそもそも納税は国民の義務です。

その義務を果たさず、権利だけを主張することこそ、おかしなことかもしれません。

 

何はともあれ生活に困ったら、とりあえず一度、役所に相談してみましょう。

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